少し前の話だ。
俺が家でくつろいでると、同業の会社を経営している友人から電話があり、今銀座で飲んでるから出てこいと。
ホントは行きたくなかったけど、しょうがないから向かったよ(笑)
呼び出された場所は銀座のクラブで、さすがにいい女揃いであった。
楽しい時間を過ごしていると、友人が場所を変えようと言い出した。
楽しかったので名残惜しかったが、お会計は俺ではないので、友人に従った。
いい女揃いのクラブを後にし、銀座の街を歩いていると、その友人がもう一軒行こうと言い出した。
あんな素敵な店を変えてまで次に行くんだから、そりゃあヤバイくらいの店なんだろう。俺は友人の提案を喜んで受け入れた。
期待に胸を膨らませ、次の店に入った。
友人はボーイさんに『VIPルームにして』と一言。
やるー。
VIPルームだぜい。
こりゃあどんだけいい女が来るんだ。
下手にエロトーク出来ないなと、一人で興奮していると、スーッと俺の隣に女性が座った。
『こんばんわ』と言われたので、満面の笑みで女性の方に振り向くと、そこには…………
サザエさんがいた。
俺は戸惑いを隠せなかった。
なぜ、ここにサザエさんがいるのか?
もっとディープに考えると、なんでこの高級店はサザエさんを採用したのか?
多少なりともアルコールが入っていた俺の見間違いかもしれないと思い、勇気を振り絞ってもう一度見てみると…………
サザエさん以下だった。
髪型はサザエさんだったが、顔はどこかのおばさんそのものであった。
それからというもの、俺がサザエさんの方を向くことも、サザエさんと話すこともなかったとさ。